取得特許番号一覧
特許第5438740号 加圧水を用いた広域に拡散した放射能汚染物質の除去方法
特許第6044003号 トリチウム含有水におけるトリチウム置換方法及びトリチウム除去方法
特許第6198145号 放射能汚染土壌又は汚泥の除染方法及び装置
特許第6198165号 放射性物質汚染水の除染方法及びシステム
特許第6284156号 汚染物質分離減容化システム及び方法
放射線の影響
福島第一原子力発電所事故により放射性物質が飛散し、現在も広範囲の汚染地域が残っています。
この放射性物質が通過した部分に電離作用を引き起こします。
電離とは
1.物質が持つ正電荷のイオンと負電荷の電子が分離する
2.電離が生じることで化学反応を起こし易くなる
という特徴を持つ現象です。
この電離が細胞で引き起こされると遺伝情報(DNA)が損なわれ、細胞が破損する可能性があります。破損した細胞は正常な代謝が出来なくなり死滅や細胞の変異が起こり奇形種やがんの発生が起こる要因となってしまいます。
放射線の種類
一般的に問題視される放射線とはα線・β線・γ線の3種に分類されます。α線・・・電離作用が強く、内部被曝での影響が大きい。透過力が弱く、紙1枚程度で遮蔽可能。飛程も短く、空気中を数cm飛ぶ程度。β線・・・α線よりも電離作用は弱いが透過力は少し強い。数mmのアルミ板や1cm程度のプラスチックで遮蔽可能。ただし、遮蔽による減速時にX線を放射する性質がある為、そちらの遮蔽も行う必要がある。γ線・・・上記2種に比べて電離作用は弱いが透過力は非常に強く、飛程も長い。
外部被爆の要因としては3種の中ではこのγ線が主因となる。
遮蔽には鉛板で10cm程度必要である。また、電荷を持たない特徴を持つため電磁気の影響を受けず直進する。

壊変について
放射性物質が崩壊し放射線を発生する現象です。壊変した放射性物質は他の物質に変化(例:セシウム137→バリウム137m)します。 壊変が起きるタイミングは特に決まっておらず、放射性物質は常に確率的に壊変が起こりうる状態です。半減期とは、この壊変が起きて放射性物質が元の半分になるのに要する期間を表します。

除染について
事故発生当時から行われている除染の大部分は作業員の手作業によって直接行われる表土の除去作業が中心です。
しかし、この方法では高濃度地域(ホットスポット)の除染作業は難しく、また大量の汚染土の保管場所についても問題となります。
また、放射性物質は核種によって半減期(元の量が半分になるのにかかる期間であり、確率的に半減するだけで消滅するわけではない。)が変わり、特によく名前の挙がるセシウム137で30年もかかります。
このように放射性物質による汚染とは、ただ放置するだけでは解決せず、長期 間周囲に有害な影響を与え続ける現象です。故に能動的に除染を行わなければなりません。
放射線の種類
弊社では排水処理技術を応用した除染技術を確立しています。(実証試験済み)
- 1.加圧水による汚染物質の洗浄
- 2.加圧浮上装置による1で使用した洗浄水の清浄化と汚染物質の分離
- 3.脱水機による2で分離した汚染物質の減容化
上記3点を基本とし、対象や場所に応じた細かな調整の上で除染を行います。

実証試験

南相馬で行った実証試験に使用したプラント

郡山で行った実証試験に使用したプラント
試験結果
| 試料名 | 加圧浮上処理水 | 加圧浮上分離物(浮上物) |
|---|---|---|
| 放射性Cs134(Bq/l) | 1.2~2.0 | 24000~42000 |
| 放射性Cs137(Bq/l) | 2.2~3.6 | 39000~70000 |
| 放射性Cs合計(Bq/l) | 3.4~5.4 | 63000~110000 |
PCS除染技術について
・汚染物質を最小限に減容化することで、保管スペースを確保しやすい。
・洗浄に使用した加圧水も処理することで再利用や放流が可能。
・処理設備の設計限界は特になく、対象の規模に囚われない。
PCS除染技術の応用
加圧水を循環処理することで効率的で無駄の少ない除染が可能となります。
循環処理を用いた大容量・高効率の除染フローチャート


この性質を利用し、従来の除染方法では対応しきれない山林の除染も可能としています。(特許出願済み)


